昨日、スイスでの国民投票で、イスラム教寺院の塔の建設を禁じる法案に対して、賛成が57.5%となった。これはヨーロッパのあり方を示唆する重要な事件だ。いくつかのオンラインから記事を拾ってみた。
スイスは2割が外国人でイスラムは40万人。この結果に対する世界の反撥ー商品ボイコット等ーをスイス自身が恐れている。世俗化が進んでいるスイスであるが、それは今まで目に見えない異教を許容し、見える異教を排除するということなのか?政府はNOのキャンペーンをはったにもかかわらず、この結果だ。YESは26州のうち22州で、NOはフランス語圏が中心。
http://www.swissinfo.ch/eng/front/The_minaret_ban_hits_the_headlines.html?siteSect=105&sid=11558450&cKey=1259570958000&ty=st
このニュースに勢いづく人達がいる。イタリアの右派政党では、「スイス人も異教の移民には疲れ果てたのだ。我々もスイスから学ぶべき」という声が出ている。
http://www.corriere.it/politica/09_novembre_29/castelli_croce_bandiera_italiana_e48bb956-dd17-11de-8223-00144f02aabc.shtml
しかし、スイスには4つの塔しかなく、一つは5千人の村にある塔だ。イスラムはドイツやフランスのような社会的な目に見える問題になっておらず、モスクがありスカーフを被った女性がいても、それらは目立つことはなかった。それでも、こうなった。法案YESのキャンペーンは、塔についてはさして語らず、イスラム教自身を語り、ポスターもイスラムの脅威を強調する形であった。リビアのガダフィの息子の逮捕の報復で、スイス市民がリビアでおさえられた問題もあるが、異教に関する漠然として不安が、YESに票を投じたとみるべきという。
ポイントは、中立を旗印とし、赤十字や国連などの活動を国家イメージのバックボーンとしてきたスイスが、自ら信教の自由や表現の自由に制限を加えていることによる、ヨーロッパ的価値へのマイナス点だ。
http://www.spiegel.de/international/europe/0,1518,664176,00.html
こうしたなかで、政府は従来のように信仰の自由を守ると盛んに言っている。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article6936802.ece
EU議長国であるスウェーデンの外務大臣は、これは偏見の結果であると言いながら、ネガティブなシグナルであると認識。しかし、通常、このような建設問題は都市計画局の判断に任すものであり、国民投票にかけること自身が奇妙だと指摘。
http://www.thelocal.se/23562/20091130/
2009年11月30日月曜日
2009年9月14日月曜日
オバマの医療保険改革を阻むもの
昨日の日曜日、ワシントンに約10万人が集まり、オバマが進めている医療保険改革への反対運動が繰り広げられたニュースが世界を駆け巡っています。「大きな政府」を作ることになるというのが反対派の主張になりますが、大きいか小さいかの目安の一つに、「社会の連帯」のあり方があると思います。そう考えていたときに、米国の医療保険改革のモデルはスイスにあり、まさしく、その「連帯」がキーワードであることを、スイスの専門家が語っている以下記事をみつけました。
http://www.swissinfo.ch/eng/front/Swiss_advise_US_over_healthcare_reforms.html?siteSect=106&sid=11202900&cKey=1252854789000&ty=st
オバマ当選後、米国政府とスイスの健康省は何度もミーティングをもってきており、今年退任するスイスの担当官は来年ハーバード大学に在籍して世界の医療関連事項について助言を行っていくとのことです。スイスのシステムが完全であるわけがないですが、必要あれば違法移民を含めてカバーする、スイスのシステムに米国が強い関心をもっていることは確かです。

その彼らー米国の担当ーが、スイスのエキスパートが「連帯」を語ると、驚いた目つきでスイス人を眺めると、スイスの担当官が語ります。そして、米国人は連帯の意味するところを、スイス人と同じようなレベルで理解していないと言うのです。米国では健康は自己責任であり、雇用者事項であり、そこに公的機関が関与しないのに対し、スイスでは国と州が重要な役割を果たします。
これは基本的にヨーロッパ諸国とも共通の性格をもっていますが、この医療保険の問題に関して、米国とヨーロッパを分けるものは、「連帯」の概念の違いであるとは、はっきり言えそうです。
http://www.swissinfo.ch/eng/front/Swiss_advise_US_over_healthcare_reforms.html?siteSect=106&sid=11202900&cKey=1252854789000&ty=st
オバマ当選後、米国政府とスイスの健康省は何度もミーティングをもってきており、今年退任するスイスの担当官は来年ハーバード大学に在籍して世界の医療関連事項について助言を行っていくとのことです。スイスのシステムが完全であるわけがないですが、必要あれば違法移民を含めてカバーする、スイスのシステムに米国が強い関心をもっていることは確かです。

その彼らー米国の担当ーが、スイスのエキスパートが「連帯」を語ると、驚いた目つきでスイス人を眺めると、スイスの担当官が語ります。そして、米国人は連帯の意味するところを、スイス人と同じようなレベルで理解していないと言うのです。米国では健康は自己責任であり、雇用者事項であり、そこに公的機関が関与しないのに対し、スイスでは国と州が重要な役割を果たします。
これは基本的にヨーロッパ諸国とも共通の性格をもっていますが、この医療保険の問題に関して、米国とヨーロッパを分けるものは、「連帯」の概念の違いであるとは、はっきり言えそうです。
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