2009年6月24日水曜日
オランダは米英の逆へ向う
皆が東の方向を一生懸命見ているときに、いや、そのときだからこそ、西の方向に商材を探すべき・・・とビジネスマンのあり方としてよく言われます。パイの食い合いに金とエネルギーを費やすのではなく、自分の領域を創造するところに利益の源泉があるというわけですが、オランダの移民政策の変更に関する下記記事を読み、さすがはビジネスの国オランダだと思いました。
http://www.nrc.nl/international/article2279586.ece/The_Netherlands_wants_more_well-educated_foreigners
第二次世界大戦以降、途上国の頭脳を米国や英国は受け入れてきました。それが経済成長の大きな力になっていたのですが、昨年の経済恐慌を契機に、米国では今年1月、政府に救済された企業は自国民の雇用を優先する法案を提出。英国でも高い専門性を必要とする職は、英国民やEU市民を優先するようにとの方針を打ち出しています。
オランダは、これら「磁石の国」の方針変更を好機ととりました。高学歴者の滞在延長や留学生の招聘により力を入れようと検討を始めているようです。既に政府は2億8千万ユーロを用意し、自国民だけでなく他国民も含め、高学歴の人たちが企業や大学にそのまま留まれるような策をとっています。これらが長期的に、オランダ経済の力の強化に繋がるであろうとの見方をとっているわけです。
能力のある人材の確保を厳しい状況でも行うべきかどうかという議論もありますが、米国や英国などの方針転換を逆手にとっているところが、このオランダ政府の注目すべきところです。経済的に強く英語圏である米国や英国は、ほっておいても人材が集まる傾向にありますが、中堅国は機をみてすばやく動いてビジネス機会をクリエイトする・・・・これはとても参考になる事例です。
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