先週、イタリアのデザイン商品を扱うメーカーを何社か回っていて、今更ながらにつくづく思ったことがあります。彼らがよく喋るのは、「自社のブランドとは考え方であり、それをあらゆるアングルから伝達することによって相手に痕跡を残すことが重要なんだ」という思考が強いからだと再認識しました。その様子を「さまざまなデザイン」(下記)に4回にわけて書きました。痕跡の集積がブランドなのです。
http://milano.metrocs.jp/archives/2364
いわゆるPRだけでなく、ポスター製作などの仕事をコミュニケーションと呼びますが、それがどうしてそう分類されるかは、基本的に「ブランドとは考え方である」という定義が根付いているからだといえます。先月、八幡さんと話した内容を「長期戦は思想の確立で勝つ」というタイトルで書きましたが、先週の出張で思ったことは、以下の内容に直接リンクします。
http://milano.metrocs.jp/archives/2281
だから、沢山話さないといけないのです。だから、政治家や企業トップもブログやFacebook あるいはTwitterなどあらゆるメディアを駆使するモチベーションが高くなるのです。単一のメディアだけでは世の中に浸透しきれない時代になってきたという認識がもちろんありますが、そのことに対する危機意識が日本より強いのが、ヨーロッパの政治家であり企業なのでしょう。なぜなら、考え方を伝えるには、多面的でなくてはならず、その考え方に接する時間を受け手により持ってもらうことが大事だからです。視覚的に分かるもので自然な理解を求めるという手法は、「伝えるのは考え方である」という認識がないからでしょう。
この観点から対ヨーロッパビジネス戦略をみたとき、何が不足しているかが自ずと見えてくる日系企業は多いのではないか・・・と想像します。
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