2009年7月6日月曜日
旧東ドイツの快適性とスイス外交官の快適性
今年はベルリンの壁が崩壊して20年目にあたるため、「20年後」の記事が目に付きます。ぼくは20年前、イタリアに来るために色々と日本で動いていたのですが、ベルリンの壁がなくなったとのニュースは、ヨーロッパのリアルな姿を見つめるという動機を更に高めてくれました。翌年、東ヨーロッパをクルマで旅行したとき、新しいヨーロッパについて友人と大いに語り、新時代の到来に夢を膨らませたものです。
しかしながら、半数以上の旧東ドイツ人が「昔の社会が良かった」とアンケートに答えているのを読み、「あの時とそれ以降の、西ドイツの犠牲と痛みをどう思っているのだ!」と旧西ドイツの人達は思うのだろうかとも想像してみました。
http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,634122-2,00.html
その頃若くて、東ドイツの秘密警察の怖さを知らなかった世代だけでなく、ドイツ統一後の世界で成功を収めている人間でも、現在の社会の矛盾にヘキヘキとしている様子が伺えます。これは旧東の体制がマシかどうかの問題というより、現代社会の抱える問題そのものにどう立ち向かうべきか?に話の焦点がいくのが妥当なのでしょう。いずれにせよ、こういう社会風景のあるところで、ドイツ政府のトップが米国型資本主義に全面の賛意を表しないー今回の経済恐慌に対する財政支出に関する両国の違いーのは十分に想像のつくことです。
もう一つ、気になる記事があります。スイスの駐タイ大使という役割を外交官夫婦がワークシェアをするというニュースです。外務大臣自らバックアップしたがゆえに実現した話ですが、これを個人的な問題解決案としてだけではなく、スイスの外務省の新しいイメージとして活用しています。
http://www.swissinfo.ch/eng/front/Husband_and_wife_team_form_a_diplomatic_duo.html?siteSect=107&sid=10900603&cKey=1246708754000&ty=st
お互いが得意な分野あるいは相性のよい対人関係もフルに生かすことになりますが、結局、目指すところ、「人が生きれる快適性」にあります。それが外交関係にも弾みがつくということにもなります。
上の二つの記事は全く関係がありませんが、ヨーロッパ人の目指す社会像がどんなアングルから見ても、かなり一つに点に絞られるだろうことは窺えます。
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