2009年8月26日水曜日

YouTubeのストーリー(1)


タイトルは「YouTubeのストーリー」ですが、正確にはYouTubeに投稿するビデオのストーリーです。ヨーロッパ文化部の主旨をビデオでも説明してみようかと思い、今、ドラフトを書いています。これは話す原稿なので手書きのほうがいいかなと考えノートに書いているのですが、やはりデジタル情報としても欲しく、ここに書き写します。対談形式です。





A: ヨーロッパ文化に対する理解を深めるというのは、特にお勉強して学ぶっていうことじゃないよね。

: そう、どちらかといえば勉強しすぎないことのほうが大事かもしれない。どんな手段を使ってもいいから、視点を沢山もつのが大事なんだよね。そして皮膚感覚というか、ヨーロッパには日本ともアメリカとも違った感覚世界がある、という事実を知ることが重要だ。

ヨーロッパというと、ギリシャ文化を知らないといけない、ローマ帝国以来の歴史を知らないといけない、キリスト教を知らないといけない、というように「知らないといけない」とされることが多すぎて、ここに心理的バリアをもっている日本人がたくさんいる。そして、その結果、「難しいものにはフタをしよう」と考えるんだね。

A: それが結局、日本のものづくりのメーカーの商品企画や文化発信では、ヨーロッパの文化文脈とは離れたアウトプットを生むということなんだ。

: もちろん、歴史のことを知っていたほうがいいに決まっているんだけど、そこで踏みとどまってはいけないと思う。もっと「ヨーロッパってこんなもんなんだ」というざっくりとした全体像を掴むことに力を使ったほうがいい。それも一人で分かることが大切で、あの国は誰々の専門だから、この分野は誰々がエキスパートだからといって怖じ気づいては駄目。




武蔵大学のヨーロッパ比較文化学科が編纂した『ヨーロッパ学入門』という便利な本があって、各分野の専門の先生が集まって書いている。これはヨーロッパを勉強する大学生のタネ本になっているらしいんだけど、これはこれでいいとしても、この本は「一人で分かる」というテーマに応えてくれないんだよ。それじゃあビジネス上、困るんだ。いちいちエキスパートを探しているんじゃあ、大枠の方針なんていつまでたっても決められない。

A: で、どうしてヨーロッパか?ってことだけど・・・。

: 今、話した内容は基本的にヨーロッパに限らず、どの地域にも通じることで、日本にも通じる。社会学の宮台真司の『日本の難点』という、日本のあらゆる問題について一人で語りとおした本も、同じ狙いにあると思っている。よって根幹の部分でヨーロッパだから・・・ということはないんだけど、5億人の市場があるEUを日本はあまりに見なさ過ぎるというアンバランスが問題だと思う。その問題のコアにヨーロッパに対する心理的敷居を自ら作っているとなるとね、どうかと思うんだ。

A: でも、ヨーロッパは色々な言葉もあってアプローチしずらいという見方も仕方がないところもある?

: じゃあ、アジアはどうか?ということになる。日本語、韓国語、中国語、タイ語、インドネシア語と色々な言葉があるわけだ。今、アジアが盛んに期待をもって語られているけど、確かにアジア文化の多様性を指摘する声は沢山あるけど、言葉がネックとなるから市場開発しないとはならない。経済成長という面があるにせよ、心理的問題も大きいと思う。何か、アジアは気楽にいけるだろうという思い込みがね。

(2)へ続く・・・・・

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