2009年9月9日水曜日

地方はイニシアチブを奪取すべき

前回、道州制論議に必要なメンタリティを書きました。本テーマについて、八幡さんよりコメントをいただきました。欧州の地方独立論議はテロに発展するほどの切迫感があるケースがありますが、八幡さんの表現する「独立するわけではないが、しようと思えば出来ないことはない」位の実力を前提にすべきであるという見方に賛成です。以下、ご紹介します。ヨーロッパの動向をリアルにみていて分かってくる感覚ではないかと思います。

いま、日本では、道州制と地方分権が同時に議論されていますが、何か核心を欠いた議論のような気がします。中途半端な議論です。というのも、地方分権という字面をよく眺めてみると、’中央が事実上占有していた全国を統治していた省庁の権力と財源を、地方にわけるということにほかなりません。それで、道州制を推し進め、これを担い、道・州という新しい単位の中核を形成できるとはとうてい思えないからです。

というのは、いわゆる道・州へのの分権を進行させる速度や徹底の度合いは、当然中央省庁のさじ加減にかかっているわけですから、道・州の形成過程はヒモ付きのままということになるでしょう。その状態は、将来も水面下で継続する可能性がある。いいかえれば、霞が関は、道州制の仮面の影で、中央集権的支配の実効性を保持できる体制を構築することが出来るとおもわれるのです。

本当の地方分権と、それを基盤とした道・州の実現は、結論的に言えば、分権というお上の権限のお裾分けではなく、「分国」をウエーバーの言う「理念型」として、いいかえれば、「分国」を覚悟して実施されなければなりません。それは、地方が、要求し、交渉し、地方のイニシアティブで「獲得」するもの、言葉を極めれば「奪取するもの」でなければならないとおもいます。「独立するわけではないが、しようと思えば出来ないことはない」位の実力(政治的・経済的)を備えた道・州の連合体としての日本という国家を再設計するのでなければ、道州制の議論は空論にとどまるでしょう。

          

2 件のコメント:

  1. しゅんちゃん、ソフィアSNS2009年9月13日 19:32

    お久し振りです。

    道州制、地方分権の見出しに誘われお邪魔いたします。

    高校の後輩(一級下ですが)の知事が、知事会で道州制の旗を振っております。

    しかし、確かに彼は高校までは当地に居ましたが、大学はT大で建設省のキャリアーから県知事に就職(?)しました。

    彼のような経歴の知事がこの国には三分の二は居ます。

    それぞれが地方出身ではありますが、彼らのアイデンティティーは<T大卒で元高級官僚>であり、出身省庁には選挙の折に物心共々多大な応援を受けています。

    東京と云う、人も金も食べ尽くす<化け物都市>が消滅しない限り、この国には地方分権など根付かないと思います。

    革命を起こそうにも、旗振り役も<駅弁大学>出身では後に誰もついて来ないでしょう??

    斯く申す小生も、そんな化け物都市に一時は巣くっておりましたが。

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  2. しゅんちゃんさん

    こんにちは。

    東京などなんだ!という勢いがないといけませんよね。おっしゃる通り、東京に気を遣ったりしている限り、何も生まれないと思います。

    コメントありがとうございました。

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