2010年10月1日金曜日

やはりヨーロッパはちゃんと見ておこう


以前から言われていたが、リーマンショック以来、特に言われ始めたことの一つに、「ヨーロッパは終わりだ。これからはアジアの時代だ」という台詞がある。こういうのは、終わりも始まりもカレンダーが変わるように分かるわけではなく、後になって「あれと、これと・・・」という象徴的なコトが集まって時代区分が見えてくるのだろう。確かにヨーロッパ人も、「これからのビジネスはアジアやアフリカだ」と言葉に出して言ったり、実際、そちら方面の出張が多くなったりしている。しかし、心のなかで、「自分が生きている間に、今のヨーロッパの心地よい文化的生活が壊れることもなかろう」と思っている。

日本や韓国あるいは中国のモノやコトがヨーロッパの風景をどれほど変えていくかが議論されてきたけど、案外、そう簡単に変わらない空気が強いことを、ぼくはミラノで感じている。適当な異文化のエッセンスは刺激になるし、商品で高くなければ買わない理由はない。そんなものだ。日本が変わらなくちゃいけないと大騒ぎしながら変わらないと嘆くより、もっと変わっていないのがヨーロッパだ。それでも、突如として「どうしてこんな法案が通ったのか?」と驚かされるように変化するのもヨーロッパだ。環境政策なども、その一つだろう。



ぼくは、ヨーロッパに肩をもつわけでもないし、アジアに肩をもつわけでもない。じょじょなる変化がいつの日か大きなうねりとなっていく。その時、多くの人の考え方の傾向がどうなっているのだろうか?ということに興味がある。「アジアの時代だ。ヨーロッパは終わった」というときに、どういう感じ方や考え方がアジアで主流になっているのか?アジア的なのか?ヨーロッパ的+アジア的なのか? ここで一つ言っておくなら、ヨーロッパ的とは、必ずしもヨーロッパでだけで通用するというのではなく、かなりユニバーサルに流通していることも含んでいる。いつの間にかあった痕跡の元を辿るとヨーロッパであった、ということだ。この逆もあろうが、どちらか一方が多いだろう。

もちろん、そもそも何がアジア的で何がヨーロッパ的かという定義がきちんとしてあるわけではない。およそのタイプとして、こんな感じの考え方をする人が多い、あんな感じをする人が少ない、という程度だ。しかし、「という程度だ」は無視出来ない程度に影響力がある。だから、ややこしい。とにかく、このごろミラノの街を歩きながら、ヨーロッパの頑固なレイヤーのあり方を読み間違えると、酷いやけどをすることになるのではないかという危機感をもつ。道行く人の素振りから商店のショーウィンドウまで、街の風景を形づくっているディテールを眺めながら、ヨーロッパへの見方を研ぎ澄ますことを怠ってはいけないと自戒する。

2 件のコメント:

  1. アルケミスト2012年2月8日 11:15

    東ユーラシア人と西ユーラシア人の定義とは結局生物学的なもの、すなわち遺伝子に基づくと思います。ナチスとかのせいで政治的、倫理的には誰もが否定するでしょうけど。世界の人々の頭の中にはそういう形で明確に存在していると思います。どんなにヨーロッパ言語や文化に精通しても、日本人はヨーロッパ人に同化できないし、日本語がわかっても外人は外人でしょう。
    個人的に親しくなっても、国際結婚したとしても、乗り越えられない壁があると思います。血は水よりも濃いのではないかと思います。
    ヨーロッパは人類史の中で、最も古い文明の一つで、最初から普遍性とか抽象性を追求していく性向がありましたね。哲学とか宗教とか、科学とかです。日本人や中国人はそうではないです。例えば、中国人の儒教に普遍性があると思えません。実際に儒教はヒマラヤを越えらず、タクラマカン砂漠を通過できていません。辛うじて普遍性があるのが仏教ですが、これもインド起源で、東洋人の考えではないですよね。神道など言わずもがなです。東アジア人は手先は器用で忍耐強いですが、それだけです。東アジア人はヨーロッパ文化を理解することも、部分的なコピーやちょっとした改良もできますが、それ以上のことはできません。陶磁器など、気まぐれでヨーロッパ人でできないことも発明したりしますが、体系化できず、大抵一発屋で終わりです。我々東アジア人はそのとき、その時自分が所属するグループの人間関係にしか興味がなく、時代や場所、民族を選ばない普遍性、抽象性やそういった思考を獲得することがついにできなかったと思います。外人が言うアジアの時代とはすなわち、人口増加に基づく市場規模の拡大がアジアで起こっているから、金儲けするならアジアというだけで、新しいアジア文化が花開き、ヨーロッパ文化を圧倒する時代ということではないでしょう。

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  2. 古いエントリー(というか、最近書いていないので、みな古いですが)にコメント有難うございました。

    1年半前の文章ですが、その後、ぼくも考えるところがあり、本テーマに対する今の印象を近々書いておきます。

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