この前に書いた駐日ドイツ大使の講演会の後、溜池のアークヒルズにあるJETRO(日本貿易振興機構)で勉強会を行いました。いろいろな部署の方が30名近く参加くださり、また外部からも数名おいでいただきました。最初に、ぼくがPPTでプレゼンをし、それから質疑応答という形をとりました。
プレゼンのなかで、「ユニバーサルとは言葉で理解し合えることで、心で通じ合えると思わない」ということを言いました。これは「少なくても、マスレベルでのビジネスを企画するにあたって」という前提がありますが、この点に質問がありました。「感性的にいいと思える共通点があるような気がするのですが・・」と。
ぼくも、感性的な共通点はあると思います。「さまざまなデザイン」で書いた「夏の虫の鳴き声」もそうですが、日本人独自であると思っている感じ方には、かなりユニバーサルに通じるものがあります。しかし、一方、それは記憶や経験あるいは学習ということがベースになっている面もあります。つまり、ある事象に対する感じ方に自慢するのもおかしいし、卑下するのもおかしいというのが、ぼくの考えです。
寿司や刺身をはじめて食べて美味しいということはあまりないことだし、子供の食の好みをみれば分かるように、ある価値的説得によって「これは美味しい」と思わせることが、かなりのケースに当てはまるのではないかと思います。明治時代に来日した西洋人が日本の音楽を聞き、「これはすばらしい」とは即言わなかったことも、一例になるでしょう。
勉強会の後、赤坂で数人と食事をともにしたのですが、七味オイルの開発ストーリーやYouTubeのビデオの話がかなり受け、このような事例から文化の話に持ち上げていくのがいいのかなと思いました。今回の勉強会は20-30代の若手がメインだったのですが、彼らにもっと語りかけること、彼らがポジティブに動いていくことができるような外部的バックアップ(環境づくり)をすること、このあたりにぼくのやるべきことがありそうだと感じました。
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