昨日、
デザイナーの中林鉄太郎さんと会った。事前に以下メモをお送りしておいた。その結果、3月20日(土曜日)、六本木AXISビルにあるインダストリアルデザイン協会内でキックオフミーティングを開催することになった。プロジェクトプロセスをできるだけオープンにするため、Twitter( #lmap)やその他で常時発信していくことにする。対象はハードとソフトの両方の製品だけでなく、アートや文学も領域に入れる。
<プロジェクトの趣旨>
今、プラットフォーム構築の主導権を握る重要性が盛んに語られる。そこに
利益の源泉があるからだ。しかし、日本企業がプラットフォームのリーダーになることはあまりない。それを日本文化の伝統ゆえであると解説する向きもあるが、そう解説したところでビジネス上の解決には至らない。
過去、海外の文化情報が日本に蓄積されてきた。
あるいは日本文化の分析も膨大だ。だが、それがどれほどにビジネスに活用されてきただろうか。メーカーの商品開発に生かされているか?ソフトの設計に生かされているか?否としか言わざるを得ない状況が多数だ。
どう文化を理解すれば、こういう形でビジネスに活用できる。そういう事例が示されないと、多くの人がビジネス上の文化理解の必要性になかなか気づかない。いや、正確に言えば、何となく気づいているが、その先に行けない。靄のかかった奥に入り込めない。これを案内するのが、ローカリゼーションマップ研究会の役目だ。
1、ローカリゼーションマップ研究会は何をやるのか?
日本人が好む茶碗はフランス人が好む茶碗とは異なる。日本人が好む茶碗がフランスでは売れにくい。携帯電話に期待するローカリゼーションと洗濯機に期待するそれは異なる。洗濯機にはユーザーの国のロジックが定着している。そして、その変化のスピードが携帯電話ほど早くない。こうやって、それぞれのモノやコトから違ってみえる世界観を具体的に描いていく。なぜ違うのか?そこに時間軸はどう関係してくるのか?を考えながらマップを作成していく。
このマップを見ることによって、自分が扱う製品の世界での位置づけが分かってくる。あるいは、文化の理解の仕方がみえてくる。
2、アウトプットは何か?
可視化されたものであることが重要。電子と紙の書籍化を目指す。タイトルは「2015年のローカリゼーションマップ」とし、現在から5年後に日本の製品が海外市場からどのような(どのレベルの)ローカリゼーションを要求されているかを予測する。これは主観的であることを基本とする。世界各地の正確な文化把握を基調として考案していたら金と時間がいくらあっても足りない。想像を含め個人的な経験をもとに大胆に考えていき、それを他メンバーとのディスカッションでより実効性の高い成果を出していく。複数の主観の重なり合いが見所のひとつとなろう。
3、プロジェクトの進め方
インダストリアルデザイナー協会のデザインプロセス委員会の2010年度(2010年4月ー2011年3月)のプロジェクトとして扱っていただき、そこを母体として外部の人間も参加する形をとる。定期的なリアルとヴァーチャルのミーティングを基本とし、早い段階での個々の参加者の第一次アウトプットがプロセスの進め方として重要。
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