2009年7月10日金曜日

フィンランドの外国人の医者




医者と患者の間のコミュニケーションが大事なのは当たり前ですが、OECDのレポートによれば、どこの国でも外国人の医者が増加しているようです。EU域内でEU市民は移動自由ですから、そこで増加するのは当然ですが、EU外の外国人も増えています。

http://www.helsinkitimes.fi/htimes/domestic-news/general/7014-immigrant-doctors-fill-a-gap-in-the-market.html

フィンランドもこの5年での伸びは大きく、ロシア語やエストニア語を話す医者が多くなっています。ここで興味深いのは、EU外の医者はフィンランド内で治療を行うに際し厳しい訓練を経てライセンスを獲得しますが、EU市民の医者はフィンランド語のテストさえ必要ないというのです。フィンランドではフィンランド語がメインでありながらも、スウェーデン語を話す地域もありますから、両方の言葉ができないと商売にならないというわけですが、この上の記事で気がつくのは、言葉によるコミュニケーションの問題を取り上げながらも、言葉の問題が医療活動の障害のメインとしては扱われてこなかったということです。ですから、EU市民であれば、語学テストが不要だったわけです。

「まあ、ちょっと時間が経てば、支障なくコミュニケーションができるだろう」という考えがあるのでしょうか。これは、複数言語を操るのが当たり前の社会での、極めて普通の発想であるということではないかと想像しました。医療活動の分野によっては、母国語と同じレベルでなくても「なんとかなる」という考え方が、こういう社会を作っていくのでしょう。あまり神経質にならないことの重要性を語っている。そのような印象をこの記事を読んで思いました。

1 件のコメント:

  1. アルケミスト2012年2月8日 23:47

    ドイツで医師免許を取得するには、基本的にはドイツの医学部に入り直さねばならず、さらにドロップアウトせずに目出度く、正規の医師資格を得たとしても、非EU市民は、自由に開業できないなど、制約があるようですね。
    基本的には、日本や米国の医師資格を持っていても、EUではブラックジャックですし、逆もしかりです。医師免許の効力は国家主権に関わる問題なので、日本人がヨーロッパ人と医師資格を相互に認めようと提案すれば済む話です。現実に日本語がわからない外人医師が日本人医師と競争して生き残れるかどうか別にして、法律上整備することは可能であり、互いに条約を結べばいいだけです。不健全にプライドの高い日本人(日本医師会とか厚労省とか)が外人医師を認めるとは思えませんがね。優秀な医師であれば外人でも日本で医療活動できるチャンスを与えるべきだと私は思います。もし、日本人が積極的に自由化をするようなことがあれば、世界も変わると思います。日本人に足りないことは、文化とか人種とかを持ち出して、外人に法律上障壁を構築していることを何とも思っていないことです。自由とか平等とか近代西洋思想が日本人はまだ、わかってないんでしょう。

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