2009年2月9日月曜日

コンセプト構築から具体策立案までのスピード




このブログを読んでいただいている方から、「藤井敏彦のCSRの本質」というブログを紹介されました。藤井氏は経済産業省の方ですが、企業の社会的責任(CSR)について連載されています。

http://wiredvision.jp/blog/fujii/

1月26日「ヨーロッパの新環境政策SCPに注目せよ」というタイトルの記事を読んでいて、昨日書いた、井口尊仁さんが経験した、フランスの先端技術へのアプローチと繋がる話題だと思ったので紹介します。ヨーロッパにおけるコンセプト構築に対する時間のかけ方が、いわば「苦労話」として書かれています。

http://wiredvision.jp/blog/fujii/200901/200901261400.html

「コンセプト」についてニッポンとヨーロッパの人々は、それぞれ世界の両極にいるのではないか、とさえ感じたりします。もちろん、この観察は小生の限られた経験に基づくものです。新春セール以上にディスカウントしていただいたほうがいいかもしれませんが。

コンセプトを徹底的に議論するわけですね、あの人達。そして精緻化していく。机上の論が好き。しかるに日本の多くの人にとっては、机上の論=「机上の空論」。世界にも希に見るプラグマティックな思考。

CSRもそうだったでしょ。ヨーロッパってCSRをすごく精緻に、既存のコンセプトであるフィランソロピーとかコンプライアンスとか、そういったものとの線引きを明確にしながら、精巧に定義した。日本は融通無碍にCSRという言葉を使い回した。


コンセプト構築の議論に多くの時間とエネルギーを使うことを、この藤井氏は「机上の空論が好き」と表現していますが、一方で、これをやらないと欧州人と付き合えないとも書いています。

ただ、外国ではコンセプトを詰める人たちがいるという事実は知っておく必要があるかも。国際社会において理念やコンセプトは多様性の中に埋没せずに生き抜く手段、戦うための武器であります。政府間交渉のような場だけではなくビジネスの現場でも本質的に変わらないのではないかと思うのです。よって、そのようなものを持たずに外に出て行くことは、武器の使用を制限されて海外に送り出される自衛隊のようなもの。もちろん、我々シビリアンは負傷したりするような目には遭いませんが。相手にされずに終わるリスク大。

<中略>

で、一旦念入りにコンセプトが形作られると、その後はコンセプトにしたがって押し止められない勢いで様々な具体的政策が提案されてくる、というのがEU環境政策の特徴です。今のところ次のような策が明らかにされています。

「政府間交渉のような場だけではなく、ビジネスの現場でも本質的に変わらないと思うのです」とありますが、ビジネスでも全く同じです。まずは縄で一番大きな輪を作り、じょじょにそれを話し合いながら小さくしていく、そのステップの踏み方と時間のかけ方は実に丁寧な場合が多いと言ってよいでしょう。そして、引用の最後の段にあるように、一度そこで合意をみると、具体的な方策があっという間に出てきます。このスピード感覚に慣れていないと、最初はウンザリ・・・最後は泡を喰うという、非効率的なこと極まりないという事態に陥ります。

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